コーサク室3周年!

いつも、シモキタFABコーサク室をご利用いただき、気にかけていただき、ありがとうございます。
2024年6月、コーサク室は3周年を迎えました。
お客様でいっぱいになる日もあり、誰も来ないなーとひとり寂しく過ごす日もあり、いろんな人と出会い、失敗を山のように積み重ね、無事に4年目突入です。1周年、2周年の時と異なり、「あー通過点」という気持ちが強くて、こそっと3周年です。通過点なりに、これからのコーサク室について考えていることを、お伝えさせてください。

未来へのヒント

3年間、来る日も来る日も、目の前のことに必死に取り組んできたのが正直なところです。
気づいたら、石の上にも3年、できることがたくさん増えていました。スタッフ自身も、コーサク室も。そして、これからどうしていこうか、どんな姿になっていくと、利用くださる皆さんも、自分自身も、自分を支えてくれる家族も、幸せになるだろうか、と考える時間が多くなりました。

最近、そのヒントをいただくご縁に、立て続けに出会いました。

一人は、すずらん洋裁教室のツイミホさん。
大阪にある洋裁教室ですが、インスタグラムでコーサク室のことを知り、東京でのイベント会場にとお問合せくださいました。
ホームページを開くと可憐なすずらんの花の写真の横に、「稽古で終わらせない、生きるため&活きる技術を共に学ぶ教室です」という言葉が。ぐっと心をつかまれました。8月4-5日の2日間、リメイクのワークショップを開催いただく予定です。



一人は、3Dプリンター体験ワークショップに参加くださった75歳の女性のお客様。
少し遠くから電車を乗り継いで、下北沢まで来てくださいました。古くなった革鞄をリメイクして靴を作ったり、いろんなリメイクオーダーを受けていらっしゃるとのことで、その日のお洋服も靴もご自身の作品。本当に素敵で、他の作品のお写真をたくさん見せていただきました。
「リメイクは60歳から始めたのよ。80歳までは、いろんな新しいことに挑戦したくて。3Dプリンターもね」と。ワークショップ受講後、「帰って自分でもっとやってみないとわからないわね。やってみて、夏は暑いから、涼しくなったらまた来るわ」と微笑んで、帰っていかれました。

▲小学生から大人まで参加する3Dプリンター体験ワークショップ



一人は、海外から来てくれる8歳の少年。
機械いじりが大好きなんだそうで、ロボットを作りたいとリクエストをいただきました。
コーサク室では、新たなロボットコンテンツ「CO-SAKUロボコン」を開発中です。持ち帰って自分で自由にいじれる、操縦できるオリジナルロボットキットも作ります。
少年の期待に応えたいと準備を進める中で、キャンセル連絡が(涙)。しょんぼりしていたのですが、仲間の一人が「ロボコン動画を観てもらいましょう!課題解決のために自分のロボを作る、改造する、操縦する。このロボットの魅力は、機械好きには絶対伝わるはず」と提案してくれました。そして動画リンクを送った数分後には、「やります!」という嬉しいお返事をいただきました。会うのが楽しみです。

▲開発中のCO-SAKUロボコン用ロボットキットLITEモデル



そして、3人の経営者の方々。
下北沢で育ち、このまちを愛し、さまざまな形でまちに貢献されています。この中のお一人に、コーサク室のロボコンをご紹介する機会をいただきました。私の拙い説明と夢に丁寧に耳を傾け、他のお二人とのご縁をつないでくださいました。皆さんは企画書にさっと目を通して、「企画を見て内容次第では断ろうと思っていたけれど、いい企画だね。参加した人がまたやりたいと思ってくれるようにやることだよ。継続できるように、最初の開催をしっかりやろう」と言ってくださったのです。

できることを増やす、未来の自分をつくる

小さなコーサク室で3年間過ごすうちに、コーサク室も私もできることが増え、スタッフである私自身は、自分の未来が変わっていく実感をもつようになりました。

ものづくりに取り組むことは、どんな領域であれ取り組み方次第では、自分自身というキャンバスに好きに自由に何かを描いたり色をつけたりくっつけたりしながら、未来の自分を作っていく行為のように感じます。

与えられた道具で、使い方・やり方を教えてもらって、仕上がり見本があったりして、決められた時間内に作って、持ち帰って飾って。1回のワークショップでは、ここで終わるかもしれない。

できれば、それをきっかけに自分で他の道具を探したり、やり方を変えてみたり、何度も練習したりしてほしい。できるようになったら、誰かに教えてみたりすると、また課題が見えてきたり。「自分でやってみる、活きた技術を身につける、続けていく」ということは、未来の自分のできることを増やしていくことになるでしょう。

▲3Dプリンターvoron2.4を作るプロジェクト。皆で手を動かし、調べ、格闘中。このプロセスを楽しんでいる人多し・・・




一人でやり続けるのは結構シンドイということ、よーくわかっています。
だからこそ、成功も失敗も経験をシェアし、学び合い、作品を見せ合ったり、多様な技術や人に出会い、新たな目的や目標を生み出すような豊かな場と機会が、もっともっと多くの人へ拓かれていくことが必要なのだと思います。

コーサク室のありたい姿は、ここにあります。
「ものづくりの経験がその人の活きた技術となり、その人自身で自分の未来をかたちづくっていくこと」に、コーサク室は貢献したい。活きた技術になっていくためには、提供する機会の価値向上が不可欠です。豊かな経験価値を提供する活動、活きた技術として身につけるだけの場とコンテンツの品質、これらにこれまで以上に力を入れて取り組みます。

そして、コーサク室という小さな空間に留まっていたくない。下北沢や世田谷のまちなかで、CO-SAKUロボコンのロボット製作やロボコン大会にチャレンジする全国各地の拠点で、もしかしたら世界中で、いろんな皆さんと共に3つのコーサクをしていきたいのです。妄想を思いきり膨らませながら、一つずつ、実現していきます。

前述した皆さまの姿や言葉は、3年間コーサク室を運営しながら漠然と「こういう姿になりたい」と考えてきたことの実像を見せて、背中を押してくださったのだと思います。


さてさて。
大風呂敷を広げましたが、言うほど、コーサク室の日常は変わりません。

レーザーカッターも3Dプリンターもミシンもカッティングマシンも使えます。陶芸もできますよ。大きな作業テーブルで、ゆったりお仕事はいかがでしょう。夏休みのお子さんの過ごし方に悩んでいたら、コーサク室のワークショップをチェックしてみてください。

機材を使ったりワークショップ参加はなかなかできないけれどコーサク室が気になる、という方は、6月30日(日)に開催するPOPUPイベント「Creator’s CO-SAKU Market vol.4」に、ふらり、いらしてください。作家さんたちの素敵な作品に出会いながら、ゆっくり一涼みもできます。外は暑いですからね。



今日もまた、コーサク室でお待ちしています。
4年目も、その先も、末永く、コーサク室をどうぞよろしくお願い致します。

一般社団法人CO-SAKU谷
代表理事・高橋明子

ふりかえると、恥ずかしや〜

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