一般社団法人CO-SAKU谷 シモキタFABコーサク室は、学校法人自由学園(東京都東久留米市)の「超本格高校生インターンプログラム『飛び級社会人』」に協力しています。
インターン期間後半は「CO-SAKU(コーサク)」という私たちのコンセプトと存在価値をアウトプットする、という課題に取り組んでもらいます。この課題には、シモキタFABコーサク室は、2026年2月末をもって一時休業し、現在の場所からの移転が決まっているという背景があります。私たちはこの移転を、これまでの経験をアンラーニングし、新しいコーサク室をリ・スタートする機会として捉えています。そのため、コーサク室を運営する私たちもまた、同じ課題に取り組んでいるのです。
コーサク室が、ここ2年余りをかけてピボットしてきたことは、前回のコーサク通信でも触れました。転機となる意思決定をする時には、コーサク室の外側から関わってくださる方々やビジネスパートナーの存在がありました。CO-SAKUというコンセプトや存在価値は、コーサク室の中だけで、私たちだけで育んだわけではないのです。そこで、私たちのことを第三者視点で見てくださるパートナーの皆さんとの対話機会を高校生たちに提供し、課題を考えるヒントにしてもらうことにしました。
映像で表現したCO-SAKU
私たちがCO-SAKUコンセプトのアウトプットとして選んだ方法の一つが、動画です。あえて、コーサク室のことをほとんど知らない、新しいご縁をいただいた方にお任せして撮影してもらうことにしました。そんなムチャ振りを引き受けてくださったのが、映像プロデューサーの白尾聡一朗さんでした。シモキタロボフェス2025の会場で撮影していただいた動画は、こちらです。
白尾聡一朗さんプロフィール
映像ディレクター/映像プロデューサー。映画・ドキュメンタリーフィルムを中心に映像制作を行なっている。
<作品歴>
2018年『salome』監督・脚本・編集
2021年『Welcome To The Shadow』監督・脚本・編集
2022年 ミラーライアーフィルムズ シーズン3『ママ・イン・ザ・ミラー』製作・編集
2022年『DONOR』監督・脚本・編集
白尾さんは、高校生たちとの対話の場で、映像の仕事を「やってみよう」と思うきっかけとなった出会いをはじめこれまでの人生のお話、そして、映像で表現するとはどういうことなのかなど、話してくださいました。
最初に高校生たちの自己紹介を聞いたうえで、白尾さんは話します。
自分のことを人に伝える時、言葉しか伝える手段がないよね。
「○○くんって、○○さんって、どんな人?」
「生物が好きで・・・」「クリームソーダが好きで・・・」という言葉での表現で伝えるよね。
でも、それだけではないはず。人は、内面で、きっと面白いこと、いろんなことを考えていると思う。
それを表現するのが、映像かもしれない。
人のことを思い出す時って、五感を使っている。
言葉だけじゃなくて、背景とか、その時の音とか、色とか、空気感とか。
映像で表現する意味って、そこにある気がするんだ。

▲白尾さんプロデュースの作品を見せてもらう高校生たち。白尾さんのお話をどう受け止めたでしょうか
違いを認め合い、共に歩むCO-SAKU
シモキタFABコーサク室発のロボティクスオープンプロジェクト「CO-SAKUロボコン」は、一般社団法人ロボットスポーツ協会さんとの出会いが大きな転換点となりました。そこで、荒川区にある同協会のラボにお邪魔し、お話をお聞きすることにしました。お話をしてくださったのは、事務局長の今井克俊さんです。
今井さんから「質問してー」と投げかけられて、高校生たちから最初に出てきた問いは、「ロボットと普通の機械の違いは?」でした。
「おお、そうきたか」とニコニコしながら受けとめる今井さん、「普通の機械って?」と問いを返します。
「モーターとか、電子部品がついているのは機械?」「そうか、じゃあ電卓は? 時計は?」
そんなやりとりを交えながら、ロボットとは「メカ」「エネルギー」「ブレイン」があるもの、というわかりやすく明確な定義を教えてくださいました。
ロボットスポーツ協会の皆さんが生み出した新たなコンセプト「ロボットスポーツ」とは、スポーツやエンターテインメントとして魅力のあるロボット競技の新しい姿を示し、アマチュアからプロまで幅広い競技形態や観戦のあり方を作り上げていく構想です。
私たちのCO-SAKUロボコンは、年齢や経験の壁は限りなく無くしていく方向性は同様ですが、誰かと競う、競技、というよりは、人が自分の力で成長していく、まちの人たちが自分たちの手でCO-SAKU文化を育てていく活動に入っていくもの、まちづくりの新しいエンジンとなるもの、というビジョンを持っています。互いに、目指す姿の違いと重なりを認め合い、とてもいいパートナーシップを築いています。

▲ロボットの動きを見せてもらう高校生たち
さて、CO-SAKUってなんだろう?
2月でこのインターンシップ期間は終了し、高校生たちは学習の成果を発表することになります。高校生の皆さんは何を掴んでくれたのでしょうか。ドキドキ。
コーサク室が彼らに提供した経験は、一見、バラバラです。
- 下北沢まち歩き
- レーザーカッターや3Dプリンターを使ってみる
- ロボット製作をする
- 動画を見る、対話する
- ロボットを知る、対話する
メイカースペースとしての仕事は、ほとんどありませんでしたね。シモキタFABコーサク室の場合、メイカースペースとしての役割は、全体の一部分に過ぎないとも言えます。スタッフ自身も、自分たちをどう表現するか、どんな価値を提供しようとしているのか、何年もかかって言語化してきました。そんな経験からできるアドバイスは、与えられる、教えられるのを待つのでは、何もわからない、始まらない、ということ。自分たちが考え、言葉にし、動かない限り、わからない、見えないことばかりだと思います。
コーサク室では、皆さんに手取り足取り伴走することはできなかったけれど、私たちが提供できるものはほぼお渡ししたと思います。
次回にお会いするときは、これまでの機会から見えてきた「CO-SAKUとは何か」、皆さんの言葉で教えてください。
正解はありません。自分たちの感性や視点に自信を持って、アウトプットしてくださいね。楽しみにしています。
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