ようこそ下北沢へ〜自由学園「超本格高校生インターンプログラム『飛び級社会人』

一般社団法人CO-SAKU谷 シモキタFABコーサク室は、学校法人自由学園(東京都東久留米市)の「超本格高校生インターンプログラム『飛び級社会人』」に協力しています。今年度は、4人の高校生たちがコーサク室へ。インターン初日は、しもきた商店街振興組合の理事長・長沼洋一郎さんに下北沢のまちをご案内いただきました。

ようこそ、コーサク室へ、下北沢へ!

10月29日(水)はインターン初日、この日は、下北沢のまちについて知ってもらう内容にしようと決めていました。

私たちは「コーサク室」という一つの場所に固執するのではなく、まち全体やそこにある資源を活かしながら、メイカースペースの可能性を広げていきたいと考えています。そのためには自分たちから地域に出て行動することがとても大事ですが、自分たちの事業のためだけに動くような姿勢では、受け入れてはもらえないでしょう。地域社会の課題に共に向き合い、ものづくりに関わる活動を通じて、まちの未来を共に創造していくメイカースペースでありたい。だからこそ、機材のことやコーサク室のことを知ってもらう以前に、下北沢のまちを一緒に散策することにしたのです。

ご案内してくださるのは、しもきた商店街振興組合理事長の長沼洋一郎さんです。しもきた商店街振興組合は「シモキタロボフェス2025」の主催であり、コーサク室の活動をいつも応援してくださっています。


まちに出る前に、高校生たちに「下北沢について興味があること」を聞いてみました。

  • クリームソーダが好きなので、美味しいお店や喫茶店が知りたい
  • 演劇部なので、劇場に興味がある
  • アニメの聖地になっているところに行ってみたい
  • 調べたら大きな月がぶら下がっている写真があった。本物を見てみたい

それぞれ、事前に少し調べてきてくれたようですね。嬉しい!


「大きな月は、もう終わっちゃったんだよ。でも、その場所がロボフェスの会場になるから、行ってみよう。あの月は、本物の月のクレーター写真を使っているんだよ。アーティストのこだわりなんだよ。商業的にはもっと明るくしたほうがいいなどの意見もあったけれど、アーティストのこだわりを尊重して受け入れるのが、下北沢のやり方なんだ」

長沼さんは、一人ひとりの話に耳を傾け、エピソードを交えて答えてくださいました。
大きな月は、9月から10月にかけて開催されていた「ムーンアートナイト下北沢」というイベントで、下北線路街空き地に展示されていたものです。

いざ、下北沢のまちへ

小一時間の下北沢散策。下北沢に根ざす商店街ならではの一つひとつのエピソードに、高校生たちは関心を持って耳を傾けていました。その様子を、写真でご紹介します。長沼さん、ありがとうございました!


▲南口商店街からスタート




▲下北沢で40年以上営業されている、老舗の純喫茶「カフェ トロワ・シャンブル」さんに興味津々




▲下北沢といえば演劇。本多劇場さんの小劇場の建物にあるチャイのお店にお邪魔しました。このお店の内装は、舞台製作等で使われた廃材を活かして、本多劇場総支配人がDIY。自分で作る、あるものを活かす、そうしてできた場所でまちの人が交わる。美味しいチャイもご馳走になりました!




▲「下北線路街空き地」へ。ここが大きな月がぶら下がっていたところであり、シモキタロボフェス2025の会場です。「あ、ドカンがあるー」そうなんですよ、ドカンがあるんですよ。休日になると、さまざまなイベントが開催され、親子連れなどでとても賑わいます。




▲一番街商店街へ。「この古着屋さんは、元は何だったと思う?」と長沼さん。「NEW YORK JOE(ニューヨークジョー)という名前のとおり、銭湯だったんだよ。ほら、あそこが番台で・・・」というお話にびっくりしてお店を覗き込む高校生たち。一番街にある建物は、2階を見上げると昔ながらの看板が残っていたり。普段何気なく通っていたけれど、一つひとつのエピソードを知ると、見える景色が変わります。




▲しもきた商店街振興組合の地域は、美容室やハンドメイドのお店も多くあります。「劇場のまちだから、美容室とか手作りのものは、昔から多くあるんですよ」と長沼さん。下北沢の「ものづくり」の系譜を感じます。




▲黒い建物は、大きな喫煙所。先日まで、ゴミ箱を配置する社会実験もされていたそう。このあたりは、古着屋さんが密集し、下北沢の中でも特に賑わうエリア。「きちんと配置すれば、ポイ捨ても街中での喫煙もなくなるんだよね」と長沼さん。まちは、きっと、こういうことの積み重ねで少しずつ良くなっていく、変わっていくのでしょう




▲駅前広場に戻ってきました。再開発前には多くの露店が並んでいた下北沢駅前。「かつてここにいたお店の人たちが、立ち退いてよかった、いい街になったね、と言ってもらえるように」という長沼さんの言葉が心に残ります。