3Dプリンター Voron2.4、DIYほぼ完了!使ってみたい人は、5/10(土)にコーサク室へ!

棚にデデーンと、圧倒的な存在感を放つVoron2.4。先日、4月29日にフィラメントフォルダーやノズルクリーニングなどを取り付けて、ほぼほぼ完了!何度かテストプリントも繰り返し、いい感じに動いてくれるようになったようです。

オープンソースだからみんなでDIYでつくれる、めっちゃ高速だし、これがあればきっといろんな人が使いにきてくれるかも。そんな期待を胸に、Voron DIYプロジェクトがコーサク室でスタートしたのは2023年夏のこと・・・。

▼これまでの様子はこちらの記事で(動画もあります)




月に1回の有志の集まりで、大量な部品と格闘しながらボディを組み立てていく工程は、出来上がっていく様子が側から見ていてもよくわかり、達成感がありました。ところが!ボディが完成してからが、長かったですねぇ。

2023年に始まった当初は「年内にできるといいね、春から使えるといいね」と話していましたが、要因のわからないトラブルがいろいろと発生し、時は流れ、段々と参加者が減っていく寂しさ。それでも、根気強くトラブルシューティングに取り組んでくださった皆さんがいて、晴れの日を迎えることができました。

コーサク室で感じる、3Dプリンターを取り巻く環境変化

この2年間、3Dプリンターを取り巻く環境の変化を感じています。

コーサク室で月1回程度開催している「3Dプリンター体験ワークショップ」。Tinkercadを使って3Dデータを製作し実際に3Dプリントを体験する、初めの一歩の内容です。このワークショップには、遠方から参加されたり、小学低学年のお子さんに「誕生日プレゼントに3Dプリンターをねだられまして」という保護者の方が親子でいらしたり。さまざまな世代からご参加いただいており、以前よりも関心の高さがうかがわれ、最近は満席が続いています。

はたまた、先日は「初めて3Dデータを作ったからプリントしてほしい」という小学生が突然やってきてくれました。プリントすることを意識して製作したデータではなかったので、プリント後の作品はなかなかの姿(涙)でしたが、それもいい経験になればいいなあと思ってお渡ししました。

3月からは、コーサク室にBambu社のX1cという3Dプリンターが仲間入りしました。高速性・高品質を兼ね備え、多色プリントもできるモデルです。まだテスト稼働中で、一般の皆さんのご利用はもう少しお待ちいただいていますが、とても素晴らしい機材です。

Voron2.4は、その高速性・高品質が大きな魅力で、導入の決め手となりました。しかし気づけばDIYをしていた2年間でBambu社のモデルが次々と登場し、高速性・高品質はもちろんのこと、そこに多色プリントという魅力が加わりました。(次は何が来るのやら?)

3Dプリンターは、以前から個人でも手が届く価格で販売されています。技術進化は凄まじく、さらに高品質な造形を、高度な専門知識がなくてもできるようになってきていると思います。だからこそ、まず何か作ってみよう、と行動を起こし、自分なりの作りたいものを実現していく力がより重要になるのではないでしょうか。どんなハイスペックな機材も、目的ではなく、何かを成し遂げる手段なのですから。

リアルオープンソースの場

Voron2.4がほぼ出来上がり、さあ、たくさん使っていただきたいぞ、と思いながら、はてと。

私たちも、もちろん完成して嬉しいんです。これまでも、毎月の作業の様子を眺めながらその内容や技術のお話を聞くことを楽しみにしていました。完成の日を心待ちにしながらも、まるでサグラダ・ファミリアのような存在になっておりまして。長い年月のDIYストーリーを他のお客様にご紹介したりして、全く機材としては稼働していないにも関わらず、愛着が湧くかわいい機材です。

Voronの3Dプリンターは、Maks Zolinさんという方が、もっと速くて、もっと良い3Dプリンターを作りたいと、新しい設計を考え出し、自宅のガレージでプリンターを自作したのが始まりだそうです。Maks Zolinさんのインタビュー記事を見つけました。

The Story of Voron Design

この記事は、2023年3月のタイムスタンプがあるので、私たちがVoronを始めた年の記事です。Maks Zolinさんが中心となって築いたオープンソースコミュニティによって、世界中のメイカーたちが協力し合い、進化し続けているプロジェクトとして、紹介されています。

この記事を読んでいて、気づきました。
コーサク室でみんながVoron2.4をDIYしていた時間は、いわば「リアルオープンソースの場」。単に3Dプリンターを作った、ということにとどまらず、オープンソースの精神をデジタルの世界から現実の空間に拡張したのです。失敗も試行錯誤も貴重な経験となりました。

今は、いろんな人に使ってもらえるよう、使い方マニュアルやルールなどを整理して記述していこうというフェーズです。Bambu x1cよりもひとまわり大きなプラットフォームは、大きな造形にも活躍することでしょう。

次回は5/10(土)、Fusion360とOrcaSlicerの入門レクチャーも

3Dプリンターへの関心の高まりを感じている私たちは、VoronのDIYにずっと関わってきてくださった方に、一つお願いをしました。

3Dプリンターで「何かを作ってみたい」「作りたいものがある」という、自分なりの目的を持つ人たちに、「ああ、こういうふうに作るんだ」と、自分の手を動かすきっかけになる機会を、Voronを作ってきた皆さんとコーサク室でつくりたい。教える・教えてもらうワークショップではなく、「リアルオープンソースの場」として。もちろん、Voron2.4を使って。

手始めに、スタッフ自身がFusion360とOrcaSlicerの入門レクチャーをしていただき、2年間見守ってきたVoron2.4で、CO-SAKUロボコンのロボットボディを作ろうかな、と考えています。

次回のVoron2.4 PJ Dayは5月10日(土)です。興味がある方は、お問合せフォームからご連絡くださいね。なお、ご参加対象は原則として大学生以上、「Fusion360を教えてもらいたい」という動機のみのご参加はご遠慮ください。リアルオープンソースの場は、ギブアンドテイク。最初にギブはできなくても、興味関心を持つこと、知る努力をすること、持っている経験や知識をシェアしながら、Voron2.4を使ってみながら、互いに楽しく有意義な経験を積んでいきましょう。