一般社団法人CO-SAKU谷 シモキタFABコーサク室は、学校法人自由学園(東京都東久留米市)の「超本格高校生インターンプログラム『飛び級社会人』」に協力しています。10月末からスタートし来年2月中旬ごろまでがインターン期間、あっという間に時は流れ、早くも折り返しになりました。
シモキタロボフェス2024で大活躍!
前半は主に「シモキタロボフェス2024」(11/23-24開催)の企画運営に関わってもらいました。ロボコンフィールドで使用する小物をレーザー加工で製作して塗装したり、自分たちのロボットを製作して出場したり、イベント当日はカメラマンとして、子どもたちのお世話役やロボット操縦練習のサポートなど、大活躍でした。
3つのコーサクを体現する
「シモキタロボフェス2024」で開催したロボコンは、「CO-SAKU(コーサク)ロボコン」という名前がついています。
私たちは「工作室」ではなく「コーサク室」。「コーサク」には3つの意味を込めていて、コーサク室のコンセプト、活動指針と言えるものです。
ロボット製作とロボコンというものづくりコンテンツに対しても、このコンセプトを体現するものとして、「CO-SAKUロボコン」と名づけているのです。
もう少し噛み砕くと「コーサク」とは、
多様な人やコトとコーサク(交錯)しながら、ものづくり(工作)を体験・経験し、関わる人たち自身が主体的に機会を創り出し(CO-Creation)、ものづくりを通じた経験価値を高めていくこと。
コーサク室は、一般的には機材や工具があるものづくりのシェアスペース(メイカースペース)ですが、「他のメイカースペースと何が違うの?」と言われた時に、コンセプトはコーサク室の存在する意味を示すものとなります。
今回のロボコンには、小学生・中学生・高校生・高専生・大人が出場してくれました。もちろん、同じフィールドで、同じルールで競技します。年齢や知識・経験の壁を限りなくなくし、共に取り組むことができる環境づくりに力を入れてきました。イベントを支えてくれたスタッフたちも、中学生、高校生、大学生、大人が入り混じり、それぞれの強みを活かし、大活躍してくれました。自由学園の高校生たち3人もその中心にいます。
このイベントの実現には、地元商店街、町会、行政、企業、近隣の小学校、地元アイドルなど、幅広い領域の皆様から応援をいただきました。
会場は、下北沢の商店街のど真ん中。街ゆく人が「何やっているの?」と見にきたり、おばあちゃんが「ロボット好きなのよ」と応援してくれたり、飛込み参加にはウズベキスタンの姉妹や大人の女性も挑戦してくれました。まちなか、という多様性が自然に交錯する環境が、私たちのコンセプトの体現を後押ししてくれた形です。
ものづくりだから、ロボットだから、デジタルだから、理系だから、小学生だから、大人だから、まちの中だから・・・、いろんな先入観や制約を出来うる限り取り払い、いろんな思いを持つ人たちが参画してくれて、「シモキタロボフェス2024」はコーサク室のコンセプトを体現したイベントとなったのです。
けれどそう思えるのは、私たちがこのコンセプトを念頭において、このイベントの企画運営プロセスをデザインしてきたからです。企画運営という仕事は、表からは見えない地道なものがとっても多いのです。まわりから見れば、結果がすべて。「これこそ、コーサクコンセプトの体現だ!」と私たちが声高らかに言ったとしても、第三者から見れば「ふーん、どーゆーこと?」となる。まあ、そんなもんです。
イベント終了後、3人の高校生たちに恐る恐る、「イベントに参加して、どうだった?」と聞いてみました。
「出場前の練習フィールドで、その場でどんどんできていくのが見える。クリエイティブ能力がその場で発揮されているのを間近で見ることができた」
「ロボットという一つのことに対して皆が興味を持って飛込み参加して、いろんな人がきて、いろんな人が一つのことに夢中になって繋がれていたのが、みていてあたたかかった」
「やりたいことに対して、どうアプローチしていくか。それぞれやりたいことに向かってやってきたことをたくさん見れたのがよかった。こうしたい、というのに本気で取り組むといいものになるんだなと」
最高の感想をいただきました。声高らかにコーサクコンセプトをアピールしなくても、伝わるときは伝わる。見えない仕事が報われた瞬間です。
自由学園の、高校生たちの、コーサクが生まれる
さて、インターン後半は、高校生たちがコーサクの主導権を握ります。
このインターンスケジュールのラストに「振り返り発表会」があるのですが、その場でなんらか、彼らの企画運営するコーサクイベントを見せてくれるようです。
イベントの企画運営となると、「誰に、何を、どのように」を考え具体化していく必要がありますが、彼らが口々に話してくれたのは、「学園にいる人たちが面白いと思うこと」「発表会には、自由学園を受験する人や地域の人も来るから、学園の独自性を見てもらえるようなこと」をやりたいと。
「自治」を大切にしている自由学園。このインターン制度のオープニングセレモニーでご馳走になった食事を初め、生徒たちが自分たちの手で「生活」をつくっていくことを大事にされています。それって、中にいる彼らにとっては、どういうことなんだろう、と気になって聞いてみました。
「自分達で何かをしなくちゃいけない。いろんな問題は生まれてくる。中1とか中2の時とかはなんでこれをやっているのかな、と思うだけだった。今は、制度がたくさんある中で考えながらいると、生活の中でヒントがたくさん流れてくる。それがどんどん自分のものになっていく、その積み重ねで自分ができている」
おお!めちゃいい視点が返ってきた!
毎日仕事を自分でつくらなくてはならないコーサク室を、彼らがインターン先に選んでくれた動機に、少し触れることができた気がしました。
インターン後半、楽しみです!