楽しみ方はロボットだけじゃない!「VIVITA ROBOCON with CO-SAKU谷 2022」プロジェクトレポート

8月からスタートした「VIVITA ROBOCON with CO-SAKU谷 2022」。9月も終盤に差し掛かり、夏からの参加者はおおかた基本型ロボットの製作を終え、改造に取り掛かりはじめていますが、ステージギミックはいまだお披露目されていません。しかも参加者のなかには、9月に製作スタートした人もいます。今年のCO-SAKU谷のVIVITA ROBOCONプロジェクトは、何やらこれまでとは異なる展開を見せているようです。

ロボット製作をしない人も楽しめるプロジェクトに

「VIVITA ROBOCON with CO-SAKU谷 2022」は、小学生から大人まで、オリジナルロボットを製作しロボコン出場を目指すプロジェクトです。CO-SAKU谷による開催は、昨年に引き続き3回目。例年ならロボット製作の子どもたちで盛り上がる夏休みのコーサク室ですが、残念なことに感染急増により参加を断念される方も続出、これまでと同様な進め方はできそうにありません(涙)。
しかし、そんなことでめげるコーサク室ではありません。これまでと同じことができないということは新しいやり方にチャレンジするチャンスと考え、次のことに取り組みました。

①一斉スタートではなく、できるタイミングで製作を始められるようにサポートする
②短期間で効率よく製作できるよう、希望者には基本型ロボット製作キットを提供する
③ロボット製作以外の参加機会を創り、プロジェクトの楽しみ方を拡げる

では、夏からのプロジェクトの様子や新しい取り組みについて、ご紹介していきましょう!

小学1年生から大人まで自分に適したすすめ方をみつける

コーサク室には、年齢の垣根がほとんどありません。下は小学1年生から上は大人まで入り混じって製作をします。

コーサク室には、サポーターはいても、先生はいません。子どもも大人も「教える」「教えてもらう」という関わりではなく、年齢や知識、興味関心などによってその人に適したすすめ方をみつけていきます。最初の一歩は、まず、やってみることから。好きなところ、得意なところを重点的に取り組んで、苦手なところは、サポーターや経験者に力を貸してもらいましょう。

例えば、ロボットのパーツ設計には座標計算が必要ですが、小学1年生にはまだ難しい・・・。そんな時はサポーターや保護者が手助けし、切り出しから組み立ては子どもが担当。お母さんが「計算苦手〜」と呟きながら四苦八苦する姿が見られたりします。工具や機材を使って何かを作る経験はほとんどしたことがない、という大人の方もいます。それでも大丈夫。先にやってみた人が、横で「あ、そこちょっと難しいよ、こうするとやりやすいよ」と経験をシェアしてくれたりします。

通常であれば、参加者はすべてのパーツの設計とレーザー加工を自分でやるのですが、今年はご要望に応じ、加工済みパーツをキットとしてご提供しています。すべてご用意するのではなく、一部のパーツは設計・加工を体験いただき、改造製作時にはご自身で作業できるようにサポート。基本型製作にかかる時間を短縮し、そのぶん、製作者の個性や好みの発揮しどころとなるロボット改造にできるだけ時間を使えるようにするためです。

キットを使って9月からプロジェクト参加した小学生は、参加2日目でほぼ基本ロボ完成、3日目にはプログラミングに取り掛かれそう。個人差があるので皆この通りとは限りませんが、週末中心に5〜6日(1日あたり3時間程度)を製作する時間に確保できれば、基本型から改造までできるスケジュールが組めます。11月のロボコンまで、10月頭から始めても間に合います!(個人差ありますので、ご相談くださいね)

こだわりポイントは、人それぞれ

下記の写真のリモコンは、小学1年生の手によるものです。サポーターと話しながら作りたいリモコンの形状を下絵に描いてパーツ設計、レーザー加工して作りました。この参加者はロボット本体よりもリモコンへの思い入れが強く、もうプロジェクトフィニッシュのごとく大喜び(ロボコンはこれからだよー、終わってないよー)。リモコンはロボットの操縦に大きく影響するため、ロボコン出場に際してとても大事な要素です。ロボットがほぼ完成しロボコン開催が近づいてくると、ロボットの駆動装置であるVIVIWARE Cellの配置を考えたり、自分の手にフィットして使いやすいリモコンにすべく、みんないろいろ工夫をしています。リモコンだけを何度も作り直す人もいるほど。操作性を重視し、リモコンのデザインは二の次になりがちですが、機能とデザイン、そして操作性、この3つを兼ね備えることができたなら、すごいですね。操作性がわかるのは、ステージで走らせる段階になってから。まだまだ試行錯誤は続きます。
9月も終盤、ロボコンステージの情報もチラホラ見え始めるこれからが、ロボット改造の本番です。人それぞれのこだわりが見えてくるのも、この時期です。楽しみにしていてください。

ロボコンステージを「リ・コーサク」

CO-SAKU谷のVIVITA ROBOCONプロジェクトでは、外部からパートナーをお迎えしてロボコンのステージを製作しています。昨年の「VIVITA ROBOCON with CO-SAKU谷 2021」では、コクヨ株式会社様のご協力を得て、同社の文具などが散りばめられた楽しいロボコンステージがお目見えしました。さて、今年は?

CO-SAKU谷がロボット製作&ロボコンプロジェクトを開催するのは、今年で3回目です。終息が見えないコロナ禍、ロシアによるウクライナ侵攻、世界的な部材不足、円安による価格高騰など、プロジェクトを取り巻く環境は、同じくコロナ禍中であった昨年と比べても大きく変わりました。素材や部品を安価でいつでも購入できる、皆が好きな時に集まってものづくりを楽しむ、このような、これまではさほど気にかけずにいたことが、当たり前ではなくなりました。この環境変化に対し、ものづくりスペースを営む私たちCO-SAKU谷は、「モノ」と「人」との関わりのあり方を再考し、課題に取り組む行動を起こしています。
このような背景のもと、今年のロボコンステージは、さまざまなリサイクル素材を活かして「リ・コーサク」をすることにしました。

しかも今回は、ロボコンステージそのものだけでなく、ステージ周囲にも工夫を凝らします。この工夫は、ロボコン製作をしない人でも参画できる素敵な企画をご用意しています。ステージのパートナーやギミック、企画の情報は、近日中に詳細を発表する予定です。お楽しみに!

▲感触や色、厚さなど素材の特徴を活かしながらステージデザインやギミックのアイデアを出し合う

●「リ・コーサク」とは
「リ・コーサク」とは、端材や廃材などの素材を活かしたものづくりと、そこから生まれたプロダクトを活かす活動です。環境や資源の社会課題に対し、ものづくりスペースを運営するCO-SAKU谷ができることは何かを考え、スタートしました。私たちには、端材や廃材を使って何かを作るだけでは、新たな廃棄物を出すだけになってしまうのではないかというジレンマがありました。そこで、新たな付加価値をもつプロダクトとして製作することにこだわり、使い方、活用のしかたを合わせて提案しています。

「VIVITA ROBOCON with CO-SAKU谷2022」プロジェクト概要

・主な内容:①ロボット製作 ②ロボコンステージ製作 ③ロボコン開催
・スケジュール:①ロボット製作 2022年8月〜10月  ②ロボコンステージ公開 2022年10月9日(日)③ロボコン開催 2022年11月6日(日)
・参加対象:小学1年生〜大人 
※これからロボット製作に参加をご要望の方は、フォームよりシモキタFABコーサク室へお問合せください。→お問合せフォーム

●ロボコン大会について →詳しくはこちら
・イベント名:「VIVITA ROBOCON with CO-SAKU谷 2022 in 第93回東京都市大学世田谷祭〜世田谷JOY!NTチャレンジ!〜」
・開催日:2022年11月6日(日) 
・開催場所:東京都市大学世田谷キャンパス 東京都世田谷区玉堤1-28-1
・主催:東京都市大学機親会
・共催:一般社団法人CO-SAKU谷
・協力:VIVIWARE株式会社